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購買力旺盛なZ世代が「中国の風習」を変えた
中島恵著『中国人のお金の使い道―彼らはどれほどお金持ちになったのか』
3/22/2021 10:33:39 AM  文/八牧 浩行
 
 

「半年行かないと違う国になる」と言われるほど、中国の変貌ぶりはすさまじく、訪れるたびに度肝を抜かれる。中国を留学や仕事を通じて30年以上ウォッチしてきたジャーナリストが中国人の実像と本音を分析した力作だ。

新型コロナの影響で景気後退にあえぐ世界各国を尻目に、中国では景気が回復。消費を牽引しているのは、購買力が旺盛なZ世代(1990年代後半以降生まれで、20歳代から30歳代)の若者たち。「豊かに育った彼らが何にお金を使っているのかを取材すると、従来の中国人像とはまったく違う、新しい傾向が見えてきた」と記す。

中国の民衆は急激に豊かになり、上海市の大卒初任給は30年前の190倍というから驚く。中国の若者がお金をつぎ込む先は、自分の趣味。旅行やスポーツジム、食事などにもお金を使うが、物欲がとても強く、ブランドものだけでなく、欲しいと思ったものには惜しみなくお金を使うという。

中国の若者は「“赤の他人”を疑わないようになった」と指摘。その要因としてITの発達を挙げる。その有力なツールが「芝麻(ごま)信用」と呼ばれるアプリ。2017年ころから中国で流行り出した、個人の信用が「見える化」されるシステムだ。過去の支払い履歴や交通違反などの有無、交遊関係、勤務先、収入などの情報でスコアが加算されていき、スコアが高ければ高いほど、個人の信用度が高まるという。ホテル予約やローンの契約など、社会のあらゆる場面で他人に自分を認めてもらう際に、このスコアを利用する人が増えている。

若者の間で高まっているのが「中国製」への評価。かつて大人気だった日本など海外製品よりも中国製品を好んで買う人が増えている。以前の中国人なら、日本や海外製品=高品質で安心安全、中国製品=粗悪品でダサい、という認識で、国産品に対してはコンプレックスや不信感さえ抱いていた人が多かったが、若者の消費者意識は大きく変わってきたという。その理由として(1)ライブコマース(動画の生中継)を駆使した販売方法やSNSを活用、(2)リーズナブルな価格帯、品質のよさ、中国の伝統的な要素や世界のトレンドも取り入れ洗練されたデザイン、自国ブランドへの自信と信頼――などを列挙している。

そうした若者の傾向をキャッチし、商品化に成功しているのが、中国の新興メーカーの経営者たち。彼らの多くがZ世代の年齢に近く、豊かになった1990年代以降の中国で育っている。欧米への留学経験などもあり、世界のトレンドを常にネットでウォッチしているだけでなく、若者の心をつかむマーケティング方法なども熟知しているという。

中国で古い中国的価値観は内陸部を中心になお主流だが、潮流が変わりつつあるのは確かだ。本書は最近の想像を絶する中国事情を読み解くために有用であり、日本の課題やビジネスチャンスを追求する格好の手引書になろう。(PHP選書、900円=税別)

 

<評者プロフィール>

1971年時事通信社入社。ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。Record China社長・主筆を経て現在同社相談役・主筆、人民日報海外版日本月刊顧問。日中経済文化促進会会長。東京都日中友好協会特任顧問。著著に「中国危機―巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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