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自民党総裁選における派閥闘争は「武器を持たない戦争」
9/25/2020 12:39:46 PM  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

自民党総裁選挙が熱を帯びてきた。前任者の清算となるのか、おとがめなしとなるのか、賢明な選択はなされるのだろうか。

安倍晋三首相の突然の辞任によって、9月中旬には自民党の新総裁が選出され、新総裁が新たな首相に就任する。自民党内の抗争は日増しに激しくなり、「石破派」で元防衛大臣の石破茂氏、「岸田派」で元外務大臣の岸田文雄氏、無派閥の菅義偉氏が主な候補者と目されている。自民党の歴史は派閥の盛衰と分合の歴史ということができる。自民党は総裁選挙の度に、派閥の活動を活発化させてきた。党内の領袖たちの密談もマスコミに取り沙汰されている。派閥間の「裏工作」によって派閥の利益の最大化を図り、それが、自民党内及び日本の政界に混乱をもたらしてきた。

自民党内の派閥は私的に組織されたグループであり、それぞれの派閥にリーダーがいて、それぞれが異なった歴史と盛衰を経てきた。2012年12月16日、自民党は第46回衆議院議員総選挙に勝利し、民主党から政権を奪還した。党内の派閥にも大きな変化が生じ、細田派、麻生派、竹下派、岸田派、二階派、石破派、石原派と相次ぎ七つの派閥が結成された。中でも、最大派閥となったのが、安倍晋三氏が所属する細田派で98名を擁し、派閥から総裁が誕生して大きな力を持つようになった。「麻生派」と「竹下派」はそれぞれ54名、「岸田派」と「二階派」はそれぞれ47名、非主流派の「石破派」は19名、「石原派」は11名の陣容である。さらに、派閥に属さない無派閥議員は64名である。

安倍晋三氏は8月28日午後の記者会見で、後継者について、「辞めていく私があまり注文をするべきではない」と語り、記者が後継者候補と目される有力派閥の領袖である、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官について尋ねると、「名前の出ておられる方々は、それぞれ有望な方々でありますし、私も一緒に内閣において、あるいは党において一緒に働いたことがある方ばかりでございますので、それぞれ政策を競い合う中で、恐らくすばらしい方が決まっていくのだろうと期待しております」と述べるに止めた。

この臨機応変な答弁が正に、安倍氏が自民党の派閥政治に精通していることを証明している。2007年9月12日、安倍氏が健康上の理由で首相を辞任するや、自民党は「戦国時代」に突入した。安倍氏は「自分には求心力がなく、人心を把握できていなかった」と嘆息した。当時の安倍氏には13年の政治経験しかなく、30年以上の経験をもつ派閥内の古参の政治家に比べて、まだまだ若輩であった。首相に返り咲いた後の2013年5月、安倍氏は党内の派閥色を薄めたいと主張した。ところが、同年夏に行われた参議院議員選挙で、再び各派閥の動きが活発化し、副首相の麻生太郎氏が率いる麻生派と元副総裁の大島理森氏が率いる大島派が合流し、第三派閥となった。

自民党内に派閥がなくならない理由として、選挙資金の分配という「金銭的便宜」と「役職の差配」が挙げられる。派閥に入れば、潤沢な選挙資金を手にし、派閥の推薦を得て「大臣の椅子」に就くことができる。多くの議員は大臣に就任して、地元の選挙民を大臣室に招いたり、国会議事堂を案内し、衆参両院を傍聴させたりすることを、選挙民への恩返しと考えている。

党内および日本の政界では、どの派閥が最大派閥になるかが最大の関心事となる。所属の派閥から首相が誕生すると、同じ派閥の閣僚で固め、「一派独裁」の様相を呈するのであるが、必要に応じて派閥間の均衡が図られるケースもある。2015年9月、総裁選後の安倍内閣の閣僚名簿は派閥のバランスを考慮したもので、当時の党内のすべての派閥が一定の地位を得ていた。「岸田派」から外務大臣と経済産業大臣の重要閣僚、「額賀派」から復興大臣、「二階派」から防衛大臣、「石破派」から地方創生大臣(石破茂)、「麻生派」からは麻生氏が副首相兼財務大臣に選出されるとともに、沖縄北方担当大臣が就任している。安倍氏自身は大派閥の「細田派」に属するが、第二次政権では、多くの新人議員を安倍陣営に取り込んだ。

自民党の派閥は「金権腐敗の温床」とさえ言われる。派閥の背後の金権政治は、かつて自民党の名声を失墜させた。1988年、日本の政界で明るみになった「リクルート事件」である。リクルート社が大量の未公開株を政界の要人に譲渡し、当時の自民党の大物政治家やいくつかの大派閥の要人がこれに関わっていた。これにより竹下登首相は辞任に追い込まれ、12名の政治家が辞職し、当時最大派閥を誇った竹下派は衰退していった。

菅氏は無派閥であるにもかかわらず、党内で派閥抗争が繰り広げられる中で、より多くの支持を得た。内閣官房長官を7年8カ月にわたって務めた、安倍政治の完全なる調整役であり、実行者である。8月29日の夜、菅氏は東京都内で二階氏と会ったとされる。また、「麻生派」は菅氏を支持しているとされている。麻生氏が出馬の意思を示さず、河野太郎氏が沈黙を守っているのもこのためであろう。

さらに、安部首相の後継者と目される人物に、自民党七大派閥の一つ「岸田派」の領袖で、元外務大臣の、岸田文雄政調会長がいる。現在、「岸田派」と「二階派」はともに47名を擁する。安倍氏が辞任を発表した時、岸田氏は出張先の新潟で記者に向かい、「安倍首相から電話があり、すぐに東京へ戻るように言われた」と話し、安倍首相との「特別な関係」を強調した。巷でも安倍氏は首相の座を「岸田派」に譲るのではないかと囁かれてきた。日本のメディアは安倍氏を「タカ派」、岸田氏を「ハト派」と呼ぶ。「タカ派」の人間が「ハト派」の人間を推すこと自体がおかしな話である。

各派閥が陰に陽にしのぎを削れば、必然的に対立が生じる。コロナ禍の対応において、岸田氏が会長を務める自民党政務調査会は、一世帯当たり30万円の補助金を政府に提案していた。ところが、連立を組む公明党はこれに反対し、一人一律10万円を主張した。この提案を自民党の「長老」で「二階派」の領袖である二階俊博幹事長が支持した。事後、岸田氏はフェイスブックに、「自民党も一人一律10万円を提案していたが、最後は安倍総理が決断した」と書いた。まもなく、ネット上は「岸田氏はうそつき政治家だ」との批判で溢れた。党内で実権を握る二階氏はこれをよしとしなかった。「安倍首相の後継者」と目される岸田氏の「障害物」になると考えたのではないかとメディアは報じている。

戦後、日本の政界では「首相の危機」が訪れる度、自民党内で「密室政治」が繰り返されてきた。外の喧騒をよそに、党内では数人の長老が寄り合って密談し、意外な人物が表れる。2000年4月、小渕恵三首相が病に倒れると、数人の長老たちによる「密室政治」の末、誰も予想しなかった森喜朗首相が誕生した。

石破氏は「20人の推薦があれば、やらねばならない。そう遅くない時期に判断したい」と、安倍氏の辞意表明後、「石破派」の領袖として真っ先に出馬の意向を表明した。日本のメディアによると、2008年9月に行われた自民党総裁選挙には7人が名乗りをあげ、当時の鳩山由紀夫民主党幹事長は「候補者が多いだけで、レスリングの乱闘のようだ」と批判したという。

安倍氏が再び健康上の理由で辞任し、自民党の各派閥には「無力感」が漂う。無派閥の菅義偉官房長官が先頭を切って総裁選に出馬したのは、党内に力ある派閥が存在しないためだ。『毎日新聞』は最近、安倍氏の突然の辞任は日本の政界に「不安定な秋」をもたらし、政権の継続を企図する自民党内に混乱を招きかねない。今後しばらくの間、自民党総裁すなわち首相の座をめぐって、同じことが繰り返されるであろうと指摘している。新たに選出される総裁の任期は明年10月である。つまり、明年10月には再び自民党総裁選挙が行われる。『日本経済新聞』は、「自民党総裁選という武器を持たない戦争が始まった」と報じている。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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